大反響をいただいた「ロゲイン多摩川今昔物語」、「ロゲイン荏原今昔物語」に引き続き、第三幕は川崎市初の国史跡指定を受けた橘樹官衙遺跡群(たちばな かんが いせきぐん)を中心に「ロゲイン橘樹今昔物語」として開催いたします。橘樹官衙は奈良・平安時代の古代武蔵国橘樹郡の役所で、東西に整然と並ぶ7棟の正倉(稲などを保管するための倉)の跡も発掘されています。隣接する影向寺(ようごうじ)は奈良時代には大伽藍を擁する南関東地方の中心的寺院でした。
今では住宅街が立ち並び、第三京浜が突き抜ける橘樹(たちばな)の里ですが、明治時代にはまだまだ古代の風景を彷彿させる里山が広がっていました。そんな明治地図を片手に、古代の橘樹の里を思い浮かべながら、いつもとは一味違ったロゲインをお楽しみください。

地図読みのコツ

「Tokyo Terrain on the Google Earth,  Ground Interface」より

これは「ロゲイン橘樹今昔物語」の競技エリアの陰影段彩図
ご覧のとおり魅惑的にデコボコしている橘樹郡です。

参加者の皆さんには、この入り組んだ微妙な沢を手がかりにチェックポイントを目指してもらいます。昔の道は地形に逆らわない自然なルートを取っていますが、現代の道は地形には関係なく、昔の道を分断して直線的・直角的に作られていることが多く、迷わされることと思います。

明治時代の地図の等高線から、この尾根・沢をイメージして現在位置を把握しなからが進むことが大事になります。そのためには以下がポイントだと野川のカルガモおとーさんは考えています。

①コンパスがないと絶対に迷いますし、リカバリーできません。

 常に正置していないと、今の道に思わぬ方向に連れて行かれてしまいます。

 今走っている道が地図にある古い道だと思っていても、正置して角度をみると実は違う方向だったということがしょっちゅうあると思います。


  怖いのが、鉄道や主要道路。確実に後からできた線状特徴物ですが、あまりにも大胆に(^_^; 古い道を横切っているので、かなりイメージを狂わされます。そんなポイントでの正置は必須です。


 なお、現在の鉄道(地上部分のみ)と第三京浜国道だけはその概略位置を半透明のラインで表示します。地図ヲタクの皆さんにとっては相当助力になる情報ではないかと思います。


②等高線をしっかり読まないと絶対に回れません。

 タモリさんのごとく「傾斜を愛する」こと。
 ただし、造成地では、削られて斜面はゆるやかになっているケースが多いです。
 大局を把握してイメージをふくらませてください。

 このエリアは、思ったより急斜面が多いので、大きく地形を掴んでアプローチして、細かな尾根・沢を確認してアタックするという意識で地形を読んでください。ただし、沢の奥が急斜面になっていて、尾根上に通り抜ける道が無いことがあります。その場合は、林や民家を直進したりしないで、素直に引き返してください。


③歩測をしないと昔の道と現代の道のタイムギャップに落ち込みます。

 雰囲気で走っていると、交差する新しい道に距離感を惑わされ、はるか手前でうろうろすることも。歩測は右足を踏んだ回数を1歩と数えると、普通の2歩が1歩になり、数えるのが少なくて済みます。ちなみに電柱は約30mおきに立てられています。


④水系(川)は今も同じとは限らない。

 大きめの川も河川改修で直線的になっていますし、小河川や用水は暗渠になり緑道化しているところも多いので、微妙な流路の曲がりや分流・支流はまったく違ったイメージになっています。やはり、沢筋として地形を大きく捉えることが大事になってきます。


 まあ、地図ヲタクの皆さんなら、どれも釈迦に説法かもしれません。目一杯楽しんでください。






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